2007/02/23

西大門刑務所歴史館

うさうさは博物館や美術館が好きなのですが、ソウルで行くのを躊躇していた博物館があります。

それは「西大門刑務所歴史館」@独立門。
1908 年に日本政府より強制的に建設された監獄(当時の名称は「京城監獄」)。その後、西大門監獄→西大門刑務所に改称。日帝支配が本格的に始まると、韓国の独 立運動家などの政治犯を投獄、処刑する場所となり、終戦後はソウル刑務所→拘置所として、87年まで引き続きその役割を続けることになるのです。

普通だったら迷わずこの手の博物館には必ず行くうさうさ。
だけどココだけはなかなか行く気になれずにいました。

う〜ん、こういうトコで無国籍人になれない自分が・・(苦笑)。

しかし、ふと思ったのですが、アウシュビッツだって、ダッハウだって見れるハズなのに、「日本人だからココに行かれない(行きにくい)」というのはオカシイのではないか!?と・・。



ということで、意を決して行って来ました!

87年に刑務所としての役割を終えた後、98年にその跡地が西大門独立公園として歴史的に保存されるようになり、当時の施設の一部が歴史館として公開されています。


主な建物だけをご紹介。

受刑者を収容する獄舎。

現存するのは第9獄舎から第12獄舎の4棟と女性用の獄舎2棟と強制労働させた工作舍のみ。


監獄は収監者を監視する中央舍から放射線状に3棟の獄舎が伸びており、中央舍から全体を監視できるように配置されています。





3棟のうち1棟が中に入れるようになっていました。

霊感は全くないうさうさですが、なんとな〜くイヤな雰囲気が漂い、やはり気持ちがいい所ではありません。。



獄舎は2階建て。
上は死刑囚を収容。

狭い独房は陽も当たらず、本当に寒々しく息苦しい冷気を感じます(汗)。

外部から完全に遮断され、頑強な鉄の窓枠から独房内に漏れる細い一筋の陽の光がとてもキョーレツでした。




獄舎を外から見た様子。

重苦しい獄舎から出て来て望む青空にホッとしました・・ホントに。。

ここはあの網走刑務所の設計者と同じ人が設計したそうです。



工作舍。
投獄者を強制労働させた場所で、第2次大戦中はここで軍事用品などを生産させていたそうです。

現在この建物内では刑務所内で行われた日本政府による数々の拷問や裁判、収監、死刑を体験できるシュールな体験場となっています(汗)。

見学に来ていた子供たちが死刑台の椅子に乗って無邪気に遊んでいるとこがなんともフクザツでした。。


死刑場。

23年に立てられた木造の建物。意外と小さいことに驚きました。内部には開閉式の床の上に死刑囚が座る椅子や、首を吊る縄が当時のママ残されています。

裏には地下に落ちた遺体を運び出す階段があります。

屍躯門。

死刑場の横にある遺体を共同墓地へ捨てるための秘密通路。

終戦直後、事実隠蔽のため日本政府により封鎖されたのを、後に復元したそうです。


この他に歴史館(旧保安課庁舍)では、独立運動家たちの日本に対する抵抗運動の歴史や事件などが展示されており、また地下には日本政府が行った拷問と弾圧の様子が相当リアルに生々しく再現されておりますが、正直前評判(?)ほどではなかったです。
イギリスで「Torture Museum(拷問博物館)」や「Witch Museum(魔女博物館)」などを数多く見ているうさうさ。やはり拷問の歴史は西洋の方が圧倒的に長いですからね。。

とは言え、有名人の処刑やその数でははかなり上を行くロンドン塔を見ても、その血塗られた歴史があまりピンときませんが、ここの独房は最近まで現役だったこともあるし、近代史の中での存在なので、かなり背筋の寒いものでした。

それにしても、幼い子供連れのお母さんとか、社会科見学なのか、先生に連れられて来ている幼稚園児たちが結構いて、韓国の反日教育、あるいは愛国心教育のスゴさを感じました。
あと、ほとんどが韓国語で英語の説明表記が少なかったのがちょっと残念。でも機会があったらぜひ日本人の方にもっと訪れて欲しいですね。

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